2020年9月9日水曜日

静嘉堂文庫美術館「能をめぐる美の世界」5

公演後、観世さんと僕が読売新聞の取材を受けたこともうれしいことでした。観世さんは、この「曲女」はたいへん軽く、舞いやすく、それだけですぐれた作であることがよく分かるとおっしゃって下さいました。しかも普通、江戸時代の能面はもっと傷んでいて、実際につけるのは恐い場合が多いそうです。近日中に、「美を紡ぐ」プロジェクトの一環として、読売新聞に大きく報道されることでしょう。

 


公演がすんで、観世さんが外されたあとも、僕には「曲女」はかすかに愁いをたたえ、呼吸をしているように感じられたのです。いただいたリーフレットのあらすじを、そのまま紹介しておきましょう。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

鎌倉国宝館「扇影衣香」3

   先に李嶠の名をあげましたが、人口に膾炙する詩人とはいえないでしょう。しかし『唐詩選』には2首採られてい ます。もっとも前野直彬先生注解『唐詩選』<岩波文庫>の詩人小伝によると、「嫉妬ぶかい性格で、他人の出世することや文才のあることをねたんだ」そうです 。   そういう詩人が...