2020年6月14日日曜日

梅棹忠夫『知的生産の技術』7



さらに「蕪村ノ項」とあるカードからは、見たときにちょっと似ているなぁと思った石濤や史忠、藍瑛、方従義 唐寅などの中国絵画、あるいは我が雪舟や応挙の作品が改めて思い出されました。なぜかエミール・ガレの「蝙蝠・芥子文鶴首瓶」(サントリー美術館蔵)まで飛び出してきました。
カードは石濤の『語画録』を再読するキッカケを与えてくれましたし、ほとんど忘れかけていた奥平俊六さんの京都国立博物館編『近世日本の絵画展』カタログ解説もよみがえらせてくれました。
もちろんボツにしたカード情報もたくさんありますが、『知的生産の技術』を知らなかったら、この拙論はとても形をなさなかったでしょう。過日、小林兄から「アンタの『國華』解説には、やたらと何年何月何日に見たというのが出てくるなぁ」と冷やかされましたが、これもひとえに梅棹先生推奨京大型カードのせいなんです()


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