2019年12月15日日曜日

三菱一号館美術館「印象派からその先へ」1



三菱一号館美術館「印象派からその先へ――世界に誇る吉野石膏コレクション展」<2020120日まで>
印象派からモダン・アートに至る西欧絵画の優品ばかりを集めたのが、国内屈指とたたえられる吉野石膏コレクションです。吉野鉱山の石膏事業で大きな成功をおさめた須藤家が、社内の創造的環境づくりを目的に、日本近代絵画とフランス近代絵画からなるこのコレクションを作り上げたのです。30年ほど前、故郷への文化的貢献を果すため、山形美術館に寄贈寄託することを決断されたそうです。
十数年前、『國華』に谷文晁に関する拙論を寄稿するため、寛政文晁の優品「山水図」を調査させてもらいに、山形美術館にお邪魔したことがあります。その時うわさには聞いていたこの吉野石膏コレクションをはじめて拝見して、一人ひとりの画家の最高傑作ともいうべき作品が抜かりなく選ばれていることに、一体どうやって集めたんだろうと驚かずにはいられませんでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼シンポジウム「高階秀爾館長と大原美術館」4

   僕は10月17日が、 杉田玄白とともに『解体新書』を翻訳出版した 蘭化前野良沢の 祥月命日でもあることからスピーチを始めました。もちろん高階先生が『解体新書』を「江戸のなかの近代」として 最重要視され 、出版220周年の1994年には、挿絵を担当した小田野直武の出身地である...