2019年10月27日日曜日

石水博物館「川喜田半泥子の秋」5


今回とくにうれしかったのは、架蔵する半泥子の名著『乾山考』について、新しい情報が得られたことでした。半泥子は尊敬してやまない尾形乾山について、最初の本格的研究書とたたえられるべき『乾山考』を、昭和18年、千歳山文庫から出版しました。

40年ほど前、山根有三先生から編集中の『琳派絵画全集』光琳派Ⅱに、乾山の伝記と作品について論文を書くよう求められた僕は、さっそく『乾山考』を探して購入しました。これなくして、乾山に関することなど、書けるものじゃ~ありません。

しかし、最高の内容にして、65部の限定非売品ですから、ものすごく高かった。正確な数字は忘れてしまいまいましたが……。いまはもっと高くなっているにちがいないと、先日、アマゾンと日本の古本屋で検索してみましたが、まったくヒットしません。いまやプライスレスの稀覯本になっているようです。いや、なっているにちがいありません()

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