半ば公刊をあきらめていた大漢和辞典が石井さんの助力を得られると聞いた時、私は再生の思いがした。……そこで、いつも石井さんには催促がましいお願いをした。当時石井さんは他に幾多有利の事業をかかえていたにもかかわらず、それをさしおいてまで私の事業のために全力を傾けてくれた。
さて、いよいよあと一年ほどで完成に至ると思う頃、突如石井さんは病臥の身となった。かねてからじゅうぶんの健康体でないことは万々承知はしていたが、さりとて一面事業の完成期は日々日に迫ってくる。
「月もろともに出潮の……」とある のが 興味深いですね。蓋のチョッと光を帯びたような茶色の地は、月夜のあえかな光と 溶け合っている ように感じられ る からです 。少なくとも、青天白日 というか 、まぶしいような陽光を想像する人はいない と思います 。 身の内側に描かれ...
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