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2019年6月25日火曜日

金子啓明『古代一木彫像の謎』5


我が国のクスノキ像として、もっともよく知られているのは、何といっても法隆寺の「百済観音立像」ですね。はじめにお話したように、去年11月、國華清話会特別鑑賞会で拝見した「僕の一点」です。あの美しくスッキリとした垂直性を、中国の南朝様式に結びつけるか、斉隋様式と関係づけるか、彫刻史のほうでも結論は出ていないようですが、僕は絶対南朝様式に賛成ですね。もっともこれを実証することは不可能で、直感にすぎないのですが……。

僕が注目するのは、そのクスノキという用材のほかに、あの宝珠形光背を支える支柱ですね。驚くべきことに、それはタケの形になっているんです。用材はカヤだそうですが、節や竹の皮まで彫りだして、タケに見せています。このたび「百済観音立像」を拝むとともに、よく自分の眼で確認してきました。

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