2019年1月29日火曜日

不倫文化論7


我が国の出世魚や、雨や雪の多彩な表現をあげるまでもなく、同一物にたくさんの表現があるというのは、それが豊かであり、それに対する思い入れが強いことの証拠です。やはり不倫という分野でも、中国の方に一日の長があるんです(!?)

先に『摘録 断腸亭日乗』の編者として磯田光一氏の名前をあげました。56歳でお亡くなりになりましたが、傑出した文芸評論家にしてイギリス文学者でした。『摘録 断腸亭日乗』の編者に選ばれたのは、第1回サントリー学芸賞を受けた評論『永井荷風』(講談社文芸文庫)が早く発表されていたからにちがいありません。これしか拝読しておりませんが、三島由紀夫を論じたデビュー作品『殉教の美学』の方がよく知られているかもしれませんね。


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渡辺浩『日本思想史と現在』6

  一般的なくくりでは比較思想史ということになるのかもしれませんが、渡辺さんの思考方法は、もっと能動的です。所与のものを単純に比較するのではありません。例えば纏足を論じながら、話はコルセットへ向うのですが、そこにはある必然がチャンと用意されているんです。起承転結というか、展開のさ...