ところで、最近僕は3年前の『琳派 響きあう美』に続いて、同じ思文閣出版から臆面もなく『文人画 往還する美』を出しました。これまで書いてきた文人画に関する論文調の拙文、解説、エッセーを集めたもので、お恥ずかしい内容ですが、『琳派』と同じく辻惟雄さんから、後期高齢者になるんだから、早くまとめておくようにと勧められたからです(!?)
この『文人画 往還する美』に、先の「日中の自然と山水画」も収めたのですが、そのなかの日中山水画美真比較論から、今日のおしゃべりトークを始めることにしました。その前提として、西欧の主客対立的自然観に対し、日中ともに主客合一的自然観が強かった事実があげられます。しかし、我が国の主客合一を心理的主客合一と呼ぶとすれば、中国のそれは理論的主客合一だったといってよいでしょう。
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