2018年12月28日金曜日

嵯峨嵐山文華館「胸キュン!嵐山」2


京都嵯峨嵐山は、藤原公任の「朝まだきあらしの山のさむければ散るもみぢ葉を(紅葉の錦)着ぬ人ぞなき」や、後嵯峨上皇の「亀山の仙洞に吉野山の桜をあまた移し植ゑ侍りしが花の咲けるを見て 春毎に思ひやられし三吉野の花は今日こそ宿に咲きけれ」に象徴されるように、古来有名な歌枕、つまり景勝の地です。

きわめて多くの文人や詩人、画家たちが、その美しさをたたえてきました。ここには日本人の自然を美の対象としてみるという自然観が、もっとも象徴的にあらわれています。

振り返って、自然観においても日本人が大きな影響をうけた中国では、自然を真の対象としてみる傾向が強いように思います。はじめて僕がそのことを文章にしたのは、ちょうど4半世紀前で、中国社会文学会でしゃべったあと、その機関誌である『中国――社会と文化』に、「日中の自然と山水画」と題して発表しました。

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