2018年8月5日日曜日

大原美術館美術講座6


参考資料

A宮次男『合戦絵』<日本の美術146>(至文堂 1978

かかる点からいって、本絵巻(「蒙古襲来絵巻」)には鎌倉武士の合戦絵に対する態度がはっきり表わされており、前期の戦記絵巻とは異なった、武家の美意識に基づく作品とみなすことができるのである。換言すれば、「平治物語絵巻」を頂点とする戦記絵巻が公家社会の所産として、浪漫的で文学性豊かな表現をもっていたのに対し「蒙古襲来絵巻」は武家的絵画として、現実的で記録性を重んじた造形ということができるのである。そして、この性格がいわば車の両輪となって、日本の合戦絵は展開していくのである。

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