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2018年6月9日土曜日

静嘉堂「酒器の美に酔う」<お酒の絵>6


D坂口謹一郎『日本の酒』 

 日本の酒は、日本人が古い大昔から育てあげてきた一大芸術的創作であり、またこれを造る技術のほうから見れば、古い社会における最大の化学工業のひとつであるといえる。したがって古い時代の日本の科学も技術も、全部このなかに打ちこまれているわけであるから、日本人の科学する能力やその限界も、またその特徴もすべて、この古い伝統ある技術をつぶさに調べることによってうかがい知ることができるであろう。
 このような立場から眺めると、日本の酒には、きわめて独創的な創意工夫が数多く見いだされるのである。われらは、日本の酒の古くからの造り方を究めることによっても、日本民族が、科学上の独創力においても他に劣るものではなく、また中国技術の影響をうけたにしても、中国周辺の他の諸国とは異なり、決してそれをウノミにしてはいない、という自信を深めざるをえない。

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