2017年11月10日金曜日

五島美術館「光彩の巧み」3


しかしその後、東京国立博物館の池田宏さんにお会いする機会があり、持論を開陳すると、「いや、河野さん、七宝を使った甲冑がありますよ。七宝は広い意味で陶磁ですよ」と教えてくれるではありませんか。「持論はついに証明されたのだ!!」と、こんなうれしいことはありませんでした。

 フィレンツェのシュティッベルト美術館は、とても充実した武具美術館です。ここで西洋の甲冑をたくさん見ましたが、僕にはとても美しいとは感じられませんでした。機能的には大変すぐれているに違いないと理解できましたが、美的じゃないんです。人を殺したり、殺されたりするのを防ぐ武具に美を求めるなんて、やはり僕は日本人なんだなぁとちょっとおかしくなりながら、ギャラリーを回った日のことが、懐かしく思い出されるのです。

その後、こんなに美しい日本の甲冑が、『國華』にまったく紹介されていないことに気づいて、これはマズイと思いました。いや、古くは論文まであったんです。川崎千虎の「本邦武装沿革考」は、創刊号に始まり、延々75回にわたる長連載、しかも「補綴」3回というオマケまでついてようやく終わるという大論文でした。

しかしその後は皆無だったんです。そこで手始めに、先の池田さんにお願いして、厳島神社所蔵の「小桜黄返威鎧」という絶品――もちろん国宝――を紹介してもらったのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

独創的詩人・白石かずこさんに想いを寄せる会を水田宗子さんが開催‼ 2

    水田さんはご尊父・水田三喜男先生が創設された城西大学・城西国際大学の理事長を 長く つとめられ ました。 また ご子息の ユキオ・ 水田・ リピットさん が 、 江戸絵画に関心を集めつつ 東大の 美術史 研究室に留学 してきた とき、一緒に調査研究を行なったこと が縁とな...