このような虚実皮膜の間にある写真によって、虚実皮膜の間にあるジオラマを写せば、それは虚実皮膜の間の二乗になります(!?) 本展第1章の「虚像を実像として提示するというコンセプト」というタイトルを、はるかに超えちゃっているように感じられます。
杉本さんの「ジオラマ」シリーズは、[虚実皮膜の間]2をもっとも完璧に視覚化した作品であり、近松演劇論の具体化、あるいはそれに悪乗りした杉本ワールドであったように思われるのです。しかしそれを巧んだわけではありませんでした。杉本さんはつぎのように告白しています。
私には子供の頃からの性癖というかおかしな感覚があった。それは存在の希薄化とでも言うべきもので、私の見ているこの世界が本当に実在するのだろうか、というリアリティへの不信感だった。精神疾患として捉えると「離人症」と言われるらしい。

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