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2026年5月19日火曜日

出光美術館<門司>「日本の名所絵」8

 


厳鄭公は作者が成都にいる間、生活に援助を与えてくれた、この地方の節度使の厳武。鄭国公に封ぜられたので、鄭公と呼ぶ。庁事は役人が事務をとる部屋。岷山は四川省の西北、揚子江の水源にあたる山。 沲江は沱江とも書き、揚子江の一支流。 成都のあたりを流れる。厳武の執務する部屋に、この山水をえがいた絵がかけてあった。

それを見せてもらった作者が、画中の風物を題にして作った詩。十韻とは、この詩の韻の数を示す。十か所で韻をふみ、つまり二十旬より成るわけである。なお、この詩の題下に「得忘字」という注がある。これから見れば、厳武の事務室で酒宴があり、一座の人々がこの絵を題とし、それぞれに韻をきめて詩を作りあったので、作者が「忘」の韻をわりあてられたもののようである。

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