この解説を読むと、これはもう日本の名所絵と、それを見ながら詠んだ屏風歌や障子歌――これらを名所歌と呼ぶとすれば、名所歌とまったく同じじゃないかという感にとらわれます。対象は岷山沲江図という名所絵であり、杜甫を中心に複数の詩人が寄り集まってそれを鑑賞し、それぞれ感じたところを名所歌に、いや、名所詩に詠み歓を尽しているわけですから……。
前野先生は掛幅とされているようですが、障壁画の可能性もあるのではないでしょうか。もし障子絵だったとすれば、いよいよ名所絵+障子歌に近くなります。『杜少陵詩集』を読むと、「李尊師の松樹障子に題する歌」をはじめ、障子絵を見て詠んだりそれに題した詩が少なくないからです。

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