ちょうど子供くらいでしょうか、そんな年齢差の韓湘に対するや韓愈のやさしい思いやりを読み取りたいのです。それは肉親の情愛といってよいでしょう。清水茂校注『韓愈』<『中国詩人選集』11>(岩波書店 1958年)によると、この詩は『太平記』に引かれ、また織田信長と稲葉一徹の逸話が伝えられるなど、日本人にとってもっとも著名な韓愈詩だったそうです。
「木賊苅」は世阿弥作ともいわれるお能「木賊」に取材しています。都の僧の若い弟子・松若が、信濃国で木賊刈をやっている老父を訪ねて行くと、老父はそれと気づかずに別れた愛児を慕いつつ、その舞の手振りを真似ながら舞うのでした。まさに親子の情、肉親の情愛が主題となっているのです。同じく肉親の情愛を強く感じさせる韓愈の詩と、違和感なく結びつくでしょう。両者は都を遠く離れた異郷という点でもペアにふさわしいですね。
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