頂戴した作品集の終りには、書幅が7点掲出されています。その最初は、僕が大好きな南宋の詩人・陸游の「秋夜紀懐 三首」其の三から2句を採った書幅です。家蔵する中華書局版『陸游集』で調べると、この3首は第35巻に載っていました。
この五言律詩をまたまたマイ戯訳で紹介しましょう。今回はお馴染みの七五調を止め、2句を一緒にして和歌みたいに訳してみました。なお「散関」というのは、陝西省宝鶏県の南西、秦嶺山脈大散嶺の隘路にあった古関だそうです。
夜の空見渡すかぎり広がって北斗またたき銀河も横たう
林木の風に吹かれて一葉ひとは散り露けし草にすだく虫たち
涼秋に病やまいも少しよくなって夢うつつにて一首詠みたり
散関さんかんを越え松明たいまつで迎えらる宿場の秋の夜思い出したり

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