2025年5月7日水曜日

石川県立美術館「宗雪・相説」5


 鶴は両隻合わせて11羽描かれています。普通だったら10羽か12羽にするんじゃないかと思いますが、十一面観音という菩薩様がいらっしゃいます。十一面観音は天神様ととても相性がよいのですが、天神様と前田家の密接な関係は改めていうまでもありません。

となると、11というハンパな数(!?)も、前田家にとっては縁起のよい数であったかもしれません。なお口演では、うろ覚えで『漢書』まで持ち出しましたが、これは勇み足でしたのでデリートをかけさせてもらいましょう。

 利常は芳春院の故事にこと寄せながら、宗雪に献納屏風の制作を命じたにちがいないとずっと思ってきました。ところが今回お邪魔して表装をよく見たのですが、どこにも前田家の家紋である梅鉢がないんです。利常寄進だったらゼッタイあるはずです。いつの時代か表装替えが行なわれたのかな? いや、やはり僕の妄想と暴走だったのかな() 




0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼シンポジウム「高階秀爾館長と大原美術館」3

   すでに2回予告を行なった 大原芸術財団主催 「追悼シンポジウム『高階先生と大原美術館』」が、先生の祥月命日である10月17日、 夕方5:30から倉敷公民館大ホールで開催されました。キーノートスピーチと司会は、高階先生の跡を継いで大原美術館館長をつとめている三浦篤さん、パネリ...