2024年3月28日木曜日

ブータン博士花見会3

 

イングラムはサクラの美に魅入られたイギリスの園芸家で、「チェリー・イングラム」という愛称を捧げられたほどでした。1926年、再び日本にやってきたイングラムは、日本人の関心が派手なサクラに向けられ、珍しい品種はないがしろにされて、本来の多種多様性が消滅しかかっている日本のサクラに危機感を募らせました。

彼はケント州ベネンドンにある自分の邸宅「ザ・グレンジ」に帰ると、そこに庭園「桜の園」を開き、みずから多種多様なサクラを育て始めたのです。「将来日本人は、もっとも美しいサクラをヨーロッパやアメリカで再発見することになるだろう」という、シニカルで切実な思いに駆られながら……。

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出光美術館(門司)「琳派の系譜」9

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