2023年11月12日日曜日

サンリツ服部美術館「琳派」5

 

元禄十二年(1699)正月九日夜、光琳は西本願寺に召し出されて、門主と話をした。最近どこかへ行ったかと尋ねられたので、夢で江戸に旅行しましたと答えると、それではきっと富士を見たであろうと言われる。

確かに見ましたと答えると、それはよい夢であるから、すぐ描いてみるようにとのこと。そこで、たまたま御前にあった包み紙に、その富士をさっと描いてみると、これもまた夢であったので、翌朝それを思い出して描いたというのである。

このころの西本願寺門主は、寛文二年(1662)から享保九年(1724)まで、実に62年の長きにわたって門主の地位にあった寂如光常(16511725)であった。残念なことに、現在この自画賛は行方不明で、私も実際に見たことはない。


0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」6

  実はさる 3 月 29 日の土曜日、この「桜 さくら SAKURA  2025 」展にちなんで、「桜を描いた名品佳品 饒舌館長ベストテン」と題する講演を、いや、口演をやらせてもらいました。会場は山種美術館から歩いてすぐのところにある國學院大學院友開館、足元のよくないなか、 1...