棟方志功君は奇人である。一度同君に面接した経験のある人なら、私のこの説に同感しない者はあるまい。
眼病の棟方志功眼を剝むきて猛然と彫えるよ森羅万象
嘗て私は戯れにこんな歌を詠んだことがあるが、あの噛みつくように面を伏せて、恐ろしい速力で筆を運ばせるあの顔つき(毛筆を揮う時は勿論、鉄筆を以て版画を彫る時もその速力には変りがない)、あの独特な津軽弁の物の言い方、アイヌの血が混じっているかと思われるあの皮膚の色、何一つとして人を驚かさずにはおかない。
愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...
0 件のコメント:
コメントを投稿