2023年8月25日金曜日

出光美術館「しりとり日本美術」5

文字通り漆黒の漆に、金蒔絵で松竹梅を表わした3枚組みの印象的な作品です。梅はいわゆる「光琳梅」ですが、松も竹も光琳模様を抱一がアレンジしたものでしょう。

この松竹梅という主題については、最近とてもいい本が出ました。京都市立芸術大学の竹浪遠たけなみはるかさんが編集した『松竹梅の美術史』(中央公論美術出版 2023年)です。松竹梅が東洋の美術史上、また文化史上、非常に重要な伝統的モチーフであることを教えてくれます。

しかしそんなことを知らなくたって、この抱一デザイン・羊遊斎作のすばらしい四方盆よほうぼんに、切子の徳利と猪口をしつらえて冷酒を一杯やったら、この暑さなんかウソのようにどこかへ飛んでいってしまうことでしょう( ´艸`)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館(門司)「琳派の系譜」7

愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...