2023年4月6日木曜日

板橋区立美術館「椿椿山展」4

調査カードには「昭和12年伊東家入札目録(東京美術倶楽部・開華楼)に野口幽谷の似た作品あり。詳しく比較すべし」とあります。K氏からこの入札目録を見せてもらい書き込んだような気がしますが、その後「詳しく比較」なんかしていないんです() 恥ずかしながら上のイメージはその時のマイスケッチですが、あの名幅はいまどこにあるのでしょうか? 

 今回の板橋区立美術館「椿椿山展」から選ぶ「僕の一点」は、何といっても「夏雨宿鷺図」(白澤庵蔵)ですね。まず驟雨にゆれる柳の描写に目を奪われます。驟雨を避けるがごとく葉陰に2羽の白鷺が羽を休め、1羽は風にさからって幹にしがみついています。緑柳×白鷺の色彩対比、静と動のバランスも絶妙です。けっこう大きな掛幅にもかかわらず、椿山のウィークポイントになりかねない構成にも破綻がありません。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼 高階秀爾先生16

   総合司会の大高保二郎さんがみごとに〆れば、 2024 鹿島美術財団東京美術講演会もほぼ定刻に終了、会場を地下ホールに移して、コロナ明け初のレセプションとは相なりました。僕たちは高階秀爾先生の一日も早き快復を祈念しつつ歓談、杯を重ねましたが、 9 日後に幽明界を異にされるとは...