1988年、国立西洋美術館で特別展「ジャポニスム展――19世紀西洋美術への日本の影響――」が開催されました。それまでいくつか開かれていたジャポニスム展をはるかに凌駕する、刺激的展覧会でした。しかし会場をめぐっているうちに、ジャポニスムといったって、つまるところ異国趣味じゃないかというような感覚にとらわれ始めたんです。
しかし印象派の画家たちは浮世絵の本質をよく理解しており、単なる異国趣味ではなかったというのが、本特別展のコンセプトでした。もちろんそれを全面的に否定することはできませんが、ジャポニスムとはつまりエキゾチシズムだという僕の直感は、だんだんと確信に変わっていきました。
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