そうなんです。燎原の火のようにヨーロッパに広がったジャポニスムでしたが、1900年のパリ万博を一つの契機として、終焉の時を迎えたのでした。そして前衛的芸術家の関心は、アフリカ彫刻へと急旋回していくのです。
しかしあれほどヨーロッパ人の心を鷲づかみにしたジャポニスムの炎が、どうしてこうも簡単に消えてしまったのでしょうか。長いあいだ疑問でした。ブームやバブルとはそういうものだ――と言ってしまえばそれまでですが、美術は人間の精神と分かち難く結ばれているはずです。マンションやチューリップの球根、またポケモンカードとはわけがちがうはずです(笑)
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