唐三彩が世界に広く知られるようになった契機は、20世紀初頭に中国大陸で進められた鉄道敷設工事であった。河南省の洛陽と開封(汴州べんしゅう)を結ぶ「汴洛鉄道」敷設に伴って、洛陽郊外に広がる幾つもの古代の墳墓がとり崩され、さまざまな時代の文物とともに唐三彩も出土した。これら古代の出土文物は少しずつ市場に流通し、欧米を中心に美術品としての評価を得ていった。静嘉堂の唐三彩コレクションも、こうした時流のなかで大正から昭和初期にかけて形成されたものである。
最後に、山種美術館「桜 さくら SAKURA 2025 美術館でお花見!」展のチラシに刷られたコピーを紹介することにしましょう。そこにある「はらはらと散っていく儚 はかな さ」は、新渡戸稲造にならって言えば薔薇に欠けている美しさです。 暖かな陽光がさし始める春。草花が芽...
0 件のコメント:
コメントを投稿