ここで小島烏水に登場してもらいましょう。名著『浮世絵と風絵画』を著わした小島烏水のほぼすべての著作は、『小島烏水全集』14巻+別巻(大修館書店)にまとめられています。その第14巻月報に、「烏水氏と私」というエッセーを書いた僕にとって、忘れることができない浮世絵研究者です。
しかし一般的には、アルピニストとして有名でしょう。かつて感動をもって観た映画『剣岳 点の記』では、仲村トオルが烏水を好演、いま苦境に耐える香川照之が演じる山案内人・宇治長次郎のライバルとして登場していました。
『小島烏水全集』第3巻に収録される「与謝野鉄幹と鳳晶子」は、烏水も編集をつとめた青年投稿雑誌『文庫』に発表された月旦評で、明治36年10月15日の刊行だそうですから、『みだれ髪』の2年後、文字通りの同時代批評ということになります。
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