2022年8月18日木曜日

夏休みと賛酒詩5

 

 串田久治・諸田龍美著『漢詩酔談』の第4章は「漢詩歳時記」――そのなかから、夏にちなんで6月、7月、8月の3首を紹介することにしましょう。6月は憧れてやまない酒仙詩人・陶淵明の「連雨独飲」です。

東晋・陶淵明「連雨独飲」

 命はいつか尽きるもの 言われてきました昔から

 仙人――この世にいたはずだ だが今いったいどこにいる?

 古老が俺に酒をくれ 「飲めばなれます仙人に……」

 一杯→忘我 もう数杯 天をも忘れる心地なり

 すなわちこれが仙界だ!! 自然に任せて悠然と……

 仙鶴 不思議な翼もち 宇宙も瞬時に往還す

 これを自分の理想とし 励み努めて四十年

 体はすでに老いたけど 心は健在 御の字だ!!


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