とくに佐藤康宏氏がはじめて紹介した蕪村筆「倣唐寅夏山訪隠図」の意義は、きわめて大きいものがあります。このような唐寅への尊敬を高めた契機として、仮託本ともされる『唐六如先生画譜』があったようにも思われます。
さらに唐寅は明時代を代表するすぐれた詩人でもあり、それは画家にして俳諧師であった蕪村の生き方とまったく同じでした。しかも唐寅はみずから「江南第一風流才子」と名乗った自由人でしたから、それも蕪村が強く憧れ、理想とするところだったにちがいありません。
若草 萌え る 長堤は 碧 みどり の霞がかかったよう 衣 香 焚き し め手に 扇子 かざす 優雅な 美女の群れ 魚が 銀鱗ひるがえ し 春潮みなぎる暖かさ 誘う春風 一斉 いっせい に 水面 みなも を埋める木蘭船 もくらんせん ...
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