とくに佐藤康宏氏がはじめて紹介した蕪村筆「倣唐寅夏山訪隠図」の意義は、きわめて大きいものがあります。このような唐寅への尊敬を高めた契機として、仮託本ともされる『唐六如先生画譜』があったようにも思われます。
さらに唐寅は明時代を代表するすぐれた詩人でもあり、それは画家にして俳諧師であった蕪村の生き方とまったく同じでした。しかも唐寅はみずから「江南第一風流才子」と名乗った自由人でしたから、それも蕪村が強く憧れ、理想とするところだったにちがいありません。
「画禅入三昧」は「画禅三昧に入る」とも「画禅三昧に入れ」とも読めますが、後者であったと思います。この教えによって、近代的自我 は目指すべき理想から、画に没頭して雑念を離れれば、おのずと獲得される三昧の境地に昇華したのではないでしょうか? 30代半ばにして画伯がスランプに陥り...
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