2022年5月8日日曜日

蕪村唐寅試論2

 


拙論は文字通り拙論ですが、チョット紹介させていただきたいと思います。これがないと、唐寅詩の戯訳紹介が唐突にすぎるからです――というのは口実かな( ´艸`)

 安永6年(1777)、春泥舎召波の7回忌に当り、嗣子の維駒[これこま]は、父の遺句を集めて『春泥句集』を編集出版しました。召波は詩名を柳宏ともいう俳人にして漢詩人、与謝蕪村門下三傑の一人でした。その七言絶句「墨水泛舟」の戯訳を紹介しましょう。

  大きな川に日は沈み 一面 夕波 果てしなく

 渡し場あたりどこからか 三味線と歌 聞こえ来る

 風に帆を張り痛快に 小舟に乗って行く十里

 白髭明神しらひげみょうじん浅草寺 次々どんどん過ぎて行く

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出光美術館(門司)「琳派の系譜」8

この二つの松は、『万葉集』『古今和歌集』の二集にたとえられ、松の葉の栄えは和歌の言の葉の栄えを意味し、つまりは天下泰平の象徴だというのである。 老人はなお松の徳をさまざまに物語り( クセ )、自分たちこそその松の精だと名を明かし、先に住吉へ行って待っていると言い残して小舟で 沖 ...