2022年4月4日月曜日

月岡芳年「大日本名将鑑」14

 

西欧のリアリズムや自然主義が、真の意味で発達しなかったのとよく似ています。日本絵画におけるもっともすぐれた歴史画は富士であり、さくらであり、旭日だったのではないでしょうか。つまりきわめて象徴主義的であり、これは日本絵画、日本美術、日本文化のもっとも美しい特徴なのです。

なぜそうなったのでしょうか? 最大の理由は仏教的輪廻思想や諦観だというのが独断と偏見です。天心も江戸時代の封建統治や島国根性とともに、「仏教三界の流転を説きて仮影幻象の内に住したる如き」ものが、歴史画を発達せしめなかったと述べて、批判しています。

0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼シンポジウム「高階秀爾館長と大原美術館」3

   すでに2回予告を行なった 大原芸術財団主催 「追悼シンポジウム『高階先生と大原美術館』」が、先生の祥月命日である10月17日、 夕方5:30から倉敷公民館大ホールで開催されました。キーノートスピーチと司会は、高階先生の跡を継いで大原美術館館長をつとめている三浦篤さん、パネリ...