2022年3月15日火曜日

菅原真弓『月岡芳年伝』2

 

何しろ本書のカバーは、かの血みどろ絵の傑作「英名二十八衆句 稲田九蔵新助」なんです。それを黒白反転のモノクロームにして、人物だけをクローズアップし、背景も漆黒にして印刷してあるんです。

そして絵とは無関係に、大小さまざまな「!」みたいな形をたくさん切り抜き、下の真っ赤な表紙を、まるで滴り落ちる血のように透かして見せるという、怪奇趣味あふれた表紙になっています。オリジナル以上に血みどろ絵的だといっても過言じゃ~ありません。

この宗利淳一さんというブックデザイナーのみごとな装丁に、まず僕は見入ってしまいました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』8

  渡辺浩さんの『日本思想史と現在』というタイトルはチョッと取つきにくいかもしれませんが、読み始めればそんなことはありません。先にあげた「国号考」の目から鱗、「 John Mountpaddy 先生はどこに」のユーモア、丸山真男先生のギョッとするような言葉「学問は野暮なものです」...