昨夜は庭の桐の葉が 散りゆくかすかな音がして
垣根の豆の花の下 鳴いていましたキリギリス
林野に満ちる涼秋の 気配に初めて気がつけば
木々の葉音は寂しくも 空うるおいて清々し
さいわいなるかな!! 枕辺の ともし火だけはまだ消えず
読書をすればこんな時 その効能は倍加する
しかし読書の目的は 役立つことより楽しみだ
名月見んとて起きあがりゃ 冬空みたいに高く冴え……
もっとも明治 40 年( 1907 )第 1 回文展には応募していますから、このころまでは会場芸術への色気というか、意欲もあったのでしょう。しかし突きつけられた「落選」という結果が、英朋に引導を渡すことになったにちがいありません。このようなサッパリとした江戸っ子気質も、「最後の浮...
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