2021年7月21日水曜日

三菱一号館美術館「三菱の至宝展」22

 

カタログには「杜甫詩集」の最初のページが掲出されています。写っている詩は「龍門の奉先寺に遊ぶ」、全杜甫詩に通し番号をつけた定本ともいうべき下定雅弘編『杜甫全詩訳注』(講談社学術文庫)にしたがえば、0001にあたる五言古詩です。

辻惟雄さんが古希を迎えたとき、ファンが辻さんをオミコシにして「辻先生と行く敦煌・龍門の旅」を企画しました。かつて詳細をアップしたことがあるように思いますが……。この杜甫詩を読んでいると、そのときみんなで仰ぎ見た奉先寺洞の毘廬遮那仏が眼前に浮かんできます。

話は飛びますが、乾山焼で有名な京焼の陶工・尾形乾山は、はじめ「権平」という名前でした。しかしチョット品がないと思ったらしく、25歳のころ「深省」と改めたのですが、その典拠はこの杜甫詩だというのが私見です!!


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