2021年7月12日月曜日

三菱一号館美術館「三菱の至宝展」13

 


張瑞図が意識してヤマネコを描いたかどうかだれにも分かりませんが、画家が意識的に行なうことも確かにあるようです。ここにアップした水墨山水画は、現代女流水墨画家として大活躍中の藤崎千雲さんが揮毫した力作です。藤崎さんは中央の山に象のイメージを込めて、つまり象を意識しながら筆を運んだそうです。堂々たるキングエレファントが見えてくるでしょう。

もっとも僕は左端の山の一部をネコに見たててしまったのですが、ネコ好き館長にとっては象よりもネコなんです() それはともかく、この作品には画家の意識的霊鷲山効果と、無意識的霊鷲山効果が併存していることになって、興味尽きないものがあります。

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