その後、ノンちゃんというメスネコも我が庭に現われるようになったので、二人が恋に落ち一緒に子どもでも連れて来られると大ごとだと思い、ともにトラップにかけ、逗子動物病院の先生に診てもらうことにしました。虎吉社長は顔も性格もおだやかになりましたが、それでも家ネコなんかになる気持ちはサラサラないみたいでした。
というわけで、虎吉社長はソトネコというより、ノラといった方がふさわしいでしょう。ソトネコというのは、たいていその家の周りでウロチョロしているものですから……。
トラ柄のオスなので、はじめ僕は「虎吉」と命名しました。ところがあるときテレビで競馬中継を観ていると、「トラキチシャチョウ」という馬が走っているではありませんか。ネットで検索すると、29戦6勝、中央獲得賞金が1億以上ある名馬?です。それ以来、虎吉は「虎吉社長」、あるいは略して「社長」とも呼ばれるようになったのです(!?)
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