2020年12月14日月曜日

小川敦生『美術の経済』4

実際に作品を写真などで見ると、それ以上に驚く人が多いのではないだろうか。落書きのように見えるからだ。もし「落書き度」という、絵の描き方の度合いを示す指標があるなら、そのレベルは半端ではない。落書きに見ようと思えば見える作品を多く残した作家の代表格はピカソだと思うが、トゥオンブリーはさらにその先を走っている。87億円の《無題》は、いってしまえばボールペンの試し書きのようなイメージだ。しかも、画材はクレヨン。まさに子どもの落書きなんじゃないかと思う人がいてもおかしくない図柄なのである。


 

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