それでは、なぜ一緒に出陳されている大作「韃靼人狩猟図屏風」や「巌樹遊猿図屏風」じゃ~なく、「李白観瀑図」なのか? それはすでにアップしたNHKカルチャーラジオ「葛飾北斎再発見」のせいです(!?) この日、NHK青山文化センターで収録を終えてから東京国立博物館へ向いましたが、そのカルチャーラジオではちょうど北斎の「詩哥写真鏡」を取り上げ、とくにその「李白」に焦点を絞ったところだったからです。
式部輝忠の「李白観瀑図」は小品ながら、魅力にあふれる作品で、とくに李白の描き方がとても興味深く感じられます。李白は顎を突き出すようにして、顎ひげをひねりながら詩想を練っていますが、頭部が異様に大きく、5頭身くらいにみえます。李白の表情を印象づけるために、どうしても頭部を大きく描く必要があったのでしょう。
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