簡潔性は日本美術最大の特質であるというのが持論ですから、琳派は日本美術の象徴であるといっても過言じゃ~ありません。それを実証するため、僕は究極的簡潔性ともいうべき伊勢神宮を取り上げ、琳派との美的共通性について論じました。
饒舌館長とはいえ口演はけっこう難しく、意に満たないことが多いものです。かのドナルド・キーン先生でさえ、うまくいったと思える講演は、10回に1、2回しかないものだとおっしゃっています。
しかしこの日は起承転結がみごとに決まり、「今日は我ながらうまくいったなぁ」と自惚れながら演台を降りました。すると仲町さんがひと言――「今日はJR東海の講演会なのよ。伊勢神宮ってむしろ近鉄じゃなかったかしら?」 忘れられない思い出です(笑)
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