2020年5月4日月曜日

読売新聞特集記事「修復の技 慈しみの心」




 読売新聞社はいま「日本美を守り伝える 紡ぐプロジェクト」を展開しています。その趣旨をよく理解してもらうため、53日朝刊に「修復の技 慈しみの心」という特集が組まれました。求められるままに僕は、我が静嘉堂文庫美術館が所蔵する大名物である「付藻茄子」<つくもなす>という茶入と、国宝の俵屋宗達筆「関屋澪標図屏風」について、修復という観点から紹介する一文を草して寄稿しました。

日本美術品は優しくか弱いのです。それは日本画と油絵を比べてみるとよく分かります。したがって、つねに修復を繰返していないと、すぐに傷んでしまいます。しかし不思議なことに、修復によって新しい美が生まれ、歴史的な物語が付加され、また未知の発見がもたらされ、その作品の美的価値が高まることがあるのです。

ところで静嘉堂文庫美術館は、丸の内に建つ重要文化財建築「明治生命館」へ、2022年移転する計画を立てていますが、これも積極的修復と呼ぶべきプロジェクトなのです。近い将来「付藻茄子」も皆さんに鑑賞していただく機会を必ず用意いたします。乞うご期待!!

0 件のコメント:

コメントを投稿