価無き宝といふとも一杯の濁れる酒にあに益[ま]さめやも
夜光る玉といふとも酒飲みて情[こころ]をやるにあに若[し]かめやも
世のなかの遊びの道にすすしくは酔泣[えいなき]するにあるべくあるらし
この世にし楽しくあらば来[こ]む生[よ]には虫に鳥にもわれはなりなむ
生ける者つひにも死ぬるものにあればこの世なる間[ま]は楽しくをあらな
黙然[もだ]をりて賢[さか]しらするは酒飲みて酔泣[えいなき]するになほ若かずけり
桜と相性がよい文学は和歌でしょうが、漢詩だって負けてはいません。先に紹介した渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』に江戸末期に鳴った漢詩人・藤井竹外の七言絶句「芳野」が載っています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。 古き陵 みささぎ ――松柏 まつかしわ つむ...
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