2020年2月22日土曜日

市岡猛彦2



僕も谷文晁に関する拙文をいくつか書きましたが、『森銑三著作集』3に収められる「谷文晁伝の研究」がなかったら、とても不可能だったでしょう。

一度だけ、日比谷図書館でちらっと鶴のごときお姿を拝見したことがありますが、それは僕が一生の誇りとするところです。『偉人暦』も愛読書中の愛読書です。トイレに備えておいて、毎朝その日に没した偉人に思いを馳せることを日課にしているからです。森銑三先生、申し訳ありません!! お許しください!!

号を檞園、また椎垣内という。終わり藩士で、名古屋に於ける本居門の語学者として、また歌人として知られている。

猛彦、性酒を嗜み、「讃酒歌百首」というを詠んだ。

  世の中にさけてふもののなかりせば何をたのみて心やらまし

  人ごとにしげみこちたみ一つきの酒ばかりをや友とたのまん

  まづたのむこの一つきぞ月花あかぬあはれを知らせ顔なる

  のむ人の下のこころのまことこそ酒の上にてあらはれにけれ

などというが其中にある。

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