2019年12月6日金曜日

五島美術館「美意識のトランジション」2


 
確かにそのとおりです。16世紀から17世紀にかけて、日本を含む東アジアはトランジションの時代でした。いや、地球全体がトランジションの時代だったといってもよいでしょう。6章に分けられた90点ほどの作品を一つ一つ眺めていけば、おのずと腑に落ちるところです。饒舌館長的にいえば、古典主義的な美意識から、バロック的な美意識に大きく転換しようとするトランジションの時代でした。

しかし展覧会というものは、企画者の意図なんか無視して、自分勝手に楽しむことも許してくれる自由なる空間です。本特別展のリーダーである砂澤祐子さんをはじめ、学芸員の方々には申し訳なきことながら、今回僕が勝手に試みたのは、日中の美意識を比べながら見るという、比較美術史的楽しみ方です。五島美術館さん、どうぞお許しください‼

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』8

  渡辺浩さんの『日本思想史と現在』というタイトルはチョッと取つきにくいかもしれませんが、読み始めればそんなことはありません。先にあげた「国号考」の目から鱗、「 John Mountpaddy 先生はどこに」のユーモア、丸山真男先生のギョッとするような言葉「学問は野暮なものです」...