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2019年5月16日木曜日

鎌倉国宝館「円覚寺の至宝」2


趙思恭・兆殿主筆[えが]く所の五百阿羅漢図、昔其の一図を亡[うしな]う。円覚寺方丈、余に以て其の闕を補うを需[もと]む。補成りて忝くも台覧を賜る。天明癸卯の冬。

 画面左下には、「養川法眼惟信画并識」という落款があり、その下に印章が捺されているようにも思われます。会場ではよく分からなかったので、鎌倉国宝館からデジタル画像をもらいましたが、それでもはっきりしませんでした。いずれにせよ、天明3年(1783)、31歳の木挽町狩野家第8代惟信が描いた作品で、法眼時代の制作にかかることを知るのです。

惟信には、呉道玄筆の観音図を数回熟視しただけで、原本といささかも違うことなく、きわめて正確な模本を作ったという逸話が残っています。これを知ってこの「五百羅漢図」を眺めると、その逸話は彼が仏画を得意としていたことをも物語るように感じられるのです。 

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