2019年2月7日木曜日

静嘉堂文庫美術館「お雛さま展」8


  灘の剣菱銘酒なり 一斗ばかりをぐいぐいと……

  愁いは雲散霧消して 心頭鋭く冴え渡る

  笑わんでくれ!! 満足に 壁もないよなボロ書斎

  酒飲みイコール清貧と 古来決まってるんだから

 もともとの起句は「傾来一斗剣菱春」です。その「春」は季節じゃなく、お酒の意味、『諸橋大漢和辞典』に「春」を求めると、第二義として「酒。唐代の通語」と出てきます。しかも、『国史補』という書の引用があり、当時「剣南之暁春」という酒があったことを教えてくれます。剣南というのは、長安南方の大剣・小剣という二つの山のさらに南に広がる地、現在の四川省から甘粛省にまたがる地域だそうです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」6

  実はさる 3 月 29 日の土曜日、この「桜 さくら SAKURA  2025 」展にちなんで、「桜を描いた名品佳品 饒舌館長ベストテン」と題する講演を、いや、口演をやらせてもらいました。会場は山種美術館から歩いてすぐのところにある國學院大學院友開館、足元のよくないなか、 1...