2018年11月9日金曜日

京都国立博物館「京の刀」5


 日本美の特質を一言で表現するならば、簡潔性に尽きる、英語を使うならばシンプリシティーに尽きるというのが私見です。簡素にして潔いのです。単純にして清潔なのです。そして看過できないのは、どんなに複雑な様式や構成や技術でも、簡潔に見せることを尊ぶ美意識が生まれたことです。これをも含めて、日本美術の簡潔性と私は呼びたいのです。

もしこれが認められるならば、日本刀こそ凝縮された簡潔性そのものだといってよいでしょう。そのフォルムはきわめて簡潔です。それを中国の青龍刀と比べてみれば、説明の要はないでしょう。

しかしそれを鍛え上げる技術は、これまたきわめて複雑であり、その痕跡が刃文や鍛え、映り、匂い、沸<にえ>となって、日本刀の見所になっています。その技術習得はたいへん難しく、何十年もかかるといいます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 14

  川瀬巴水は「サウダーデの風景版画家」 と呼ばれるべき です!!  しかし その理由はもう一つあります 。 モラエスが 「 芸術と文学 」 の章に 、つぎのごとく書き記しているからです。   ふんだんに日本の土地を ゆさぶって家屋を倒壊させる地震には、日本は家屋をふたたび廃墟か...