2018年6月3日日曜日

優先席1

 優先席――悩ましい問題ですね。先日も『朝日新聞』の声欄に、フリーター・青戸晋(埼玉県 52)という方が、「仕事と通勤疲れで席譲れない?」と題して、次のような意見を寄せていました。そのままに再録してみましょう。

 地下鉄の中で外国人が「日本人は高齢者に席を譲らない」と嫌悪感を表したという投稿「親切で優しい国の住民になろう」を読みました。

 日本人が譲らないのにはいくつかの理由があると思います。一つは多くの人が長距離通勤であり、そんな余裕が無いことがあります。海外では想像がつかないかもしれませんが、席が空いていないような時間帯は、座れるのは運がいい時で、何十分も立ちっ放しのことが多いはずです。

 もう一つは、今は高齢者といっても元気な人もいて様々です。明らかに立つのが苦痛な人以外は譲らないという考えの人が増えているのではないでしょうか。一方、杖をついているような人が乗り込んできた時は席を譲るでしょう。そうした人にさえ譲らないなら問題でしょうが、私はそんな場面に遭遇したことはほとんどありません。

 日本は一見豊かなようでいて、長距離通勤、長時間労働に従事している人も多く、相対的には決して豊かとは言い難い国です。批判をする海外の人の多くは、こういったことを知らないのではないでしょうか。

 


0 件のコメント:

コメントを投稿

太田記念美術館「鰭崎英朋」3

 鰭崎君(英朋)が画いたのは、この増補の「恵の花」英泉挿絵入の分で、まだ北廓に内芸者でいた米八が、向島の田舎家で、恋中の丹次郎との媾曳 あいびき に、障子を開けて庭先の梅の莟を口に含む。よく人の知る婀娜たる画面をよく格を保って写し得た。(略)  今、こうして時を隔てて烏合会のこと...