2018年5月29日火曜日

国華清話会「浦添市美術館」2


「僕の一点」は「黒漆孔雀牡丹唐草沈金食籠」です。食籠[じきろう]というのは、食物を容れる容器のことです。この食籠は円形2段の形式ですが、大きな蓋がついているために、ちょっと3段のように見えてしまいます。黒漆の上に、牡丹唐草のなかで優雅に遊ぶ孔雀が、沈金という装飾技法で表現されています。

その精巧無比なることは、今はやりの言葉でいえば「超絶技巧」ですが、まったく超絶技巧なんて感じさせません。これこそ、超絶技巧を超えた超絶技巧だと、感を深くしながら飽かずながめたことでした。

このような円形2段の食籠は、近世後期の琉球では「御籠飯」[ウクファン]と呼ばれ、祭祀儀礼のために用いられたそうです。黒漆沈金の蓋を取ると、梅文を中心に5つに区画された朱漆の皿盆が現われるのですが、その息をのむような鮮やかなコントラストに、琉球色彩美の真骨頂を見る思いがしました。

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東京国立博物館「斉白石」2

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