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2018年2月1日木曜日

『逝きし世の面影』のネコ1


 渡辺京二さんの名著『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー 2005年)には、幕末明治のネコが登場します。「生類とコスモス」の章です。「ネコ好き館長」としては、無視できません。いや、ネコ文化史上とても重要な文献だと思いますので、ここに掲げておくことにしましょう。

マーガレット・バラは夫とともに、文久元年から神奈川宿の成仏寺に住んだが、「コウモリや鳥や昆虫が、ぶんぶん、ちゅうちゅう、ひゅうひゅうと絶え間なく鳴く声、飢えた狼のように犬が吠える声、ずうずうしく物をさらってゆく悪がしこいカラスの鳴き声」にはうんざりだった。彼女の考えでは、「市場に出かけた召使が買い物を入れた籠を頭にのせて帰れないのは、このカラスどものせい」だった。この古寺では、夜中になると鼠たちが走りまわって、「地震」を起した。小猫は鼠がよほどこわいらしく、「物音がしただけで飛んで逃げ」る。日本の猫は「大きくてつやつやと肥えていますが、怠惰で、ネズミをとって食べる気はないのです。ここのネズミは猫と同じくらい大きいものですから、猫のほうは飛びかかっても無駄だと知っているのでしょう。ネズミはおかげでしたい放題、とても横暴です」。

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