手法や様式、あるいは作風を意味するイタリア語「マニエラ」に由来します。20世紀はじめまでは、古典主義芸術の形式的模倣と否定的に見なされることが多かったのです。しかし第一次世界大戦のころから、盛期ルネッサンス様式からは独立した別種の新様式として、積極的に評価されるようになったそうです。
もともとの語源は同じですが、ある手法や形式をそのまま繰り返して用い、型にしばられて創造性を失うことを指す英語のマンネリズムと間違わないでほしいと思います。
アーノルド・ハウザー著『マニエリスム』(岩崎美術社 1968年)に付された若桑みどり先生のマニエリスム研究史によれば、マニエリスムに関しては百家争鳴、その解釈や見方もじつにたくさんあるようです。
しかし僕がもっとも共感を覚えるのは、ヴァルター・フリートレンダーの説です。その著書『マニエリスムの成立と展開』(岩崎美術社 1973年)によれば、あまりにも完璧な古典主義様式に対するアンチテーゼとして、おもにイタリアで風靡した反古典主義的様式ということになるでしょう。
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